将棋

読む将(5) 棋士という人生  大崎 善生 編 

副題は 「傑作将棋アンソロジー」といいます。

アンソロジーとは、一つのテーマで複数の作家が書いた本。

ここでは棋士という人生について26編が収められています。

坂口安吾の 「九段」という題名のエッセイを ホント? と思いながら読みました。
「九段」の取違いも面白かったけれど、坂口安吾が見た、あの偉大な棋士大山の若い時代の人物描写がこれも ホント? と思いながら読んだのでした。

自分のことを書いたもの、他人について書いたもの、いろいろですが、大崎氏が選んだだけあって、今まで知っていたとは違うことが書かれていたりして、新発見でした。

例えば、大崎 善生(この本の編者)は、「聖の青春」の著者として知っていました。
大崎氏は他の小説もあるので、小説家が棋士村山 聖九段の生涯を書いたのかと思っていたのです。
ところが、村山九段の伝記を書く人を探していたところ、九段の師匠の森七段に頼まれて初めて長編の読み物を書いたとあり、その後、他の小説も書けるようになったと本人が書いております。

小説家志望の青年が書けずに、将棋連盟に就職して編集などを担当していたのが大崎氏であったことも初めて知ったことでした。

「聖の青春」の後出版された「将棋の子」も素晴らしい作品で、この2冊は、ブックオフで見つけ次第買う本です。
そして、人にプレゼントするのです。そんな本が何冊かあります。

ちょっと紹介すると、ゴルフエッセイの夏坂 健氏の全ての本、大崎 善生氏の2冊、米原 万里の「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」などです。

話がそれましたが、お勧めの1冊です。

是非、お読みください。

その後の書き足し。

2021年4月26日

NHHのBS放送で、映画「聖の青春」を見ました。
村山八段が上京してきて、将棋連盟の編集者に通帳と印鑑を預けるシーン、編集者は実は大崎氏なのであります。

この本の中では、部屋の鍵も一緒に預けます。そして、ある日、酔った村山八段がカギを失くし、大崎氏に夜中に電話してくることは、映画にはありませんでした。

それにしても辛いなぁ。
若くして道半ばで終わる、辛い。

良い映画です。

追加でした。

 

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