囲碁

読む碁(2) 盤側の風雪  江崎 誠致 著 

1975年発行でB5版のちょっと大きめの本です。
内容は盛りだくさんで、文字の小さいページも多く、お得感があります。

帯に書いてあった内容の1部を紹介します。

Ⅰ 本因坊こぼれ話
坂田栄男論
文壇本因坊となるの記
不死鳥高川の持てるもの
林海峯の扇子

Ⅱ 木谷道場の人々

Ⅲ 第16期本因坊戦第2局
第29期本因坊戦第3局

Ⅳ 小説本因坊秀格
勝負のかたち
三連敗四連勝

今回は「小説本因坊秀格」について書いてみます。

この小説は作品リストにはありますが、本としては見つけることができないでいました。

本因坊秀格とは、囲碁棋士の高川 格九段のことです。
本因坊のタイトルを獲得すると、本因坊〇〇と名乗ることが許されます。

本因坊戦での歴代本因坊位
棋士名 初在位 読み 号の由来
関山利一 1941 本因坊利仙 りせん 日本棋院から号を贈られる。
橋本宇太郎 1943 本因坊昭宇 しょうう 日本棋院から号を贈られる。
岩本薫 1945 本因坊薫和 くんわ
高川格 1952 本因坊秀格 しゅうかく 本因坊秀栄に因む。
坂田栄男 1961 本因坊栄寿 えいじゅ 本因坊秀哉の本名の「田村保寿」と、
当時の日本棋院総裁の津島寿一に因む[10]
林海峰 1968 本因坊海峯 かいほう 実名から。
石田芳夫 1971 本因坊秀芳 しゅうほう 親交のあった書家・佐々木泰南[11][12] の命名。
武宮正樹 1976 本因坊秀樹 しゅうじゅ 二期目以降は実名から。
(1980) 本因坊正樹 せいじゅ
加藤正夫 1977 本因坊劔正 けんせい 同郷の有力後援者であった劔木亨弘の名から。
趙治勲 1981 本因坊治勲 ちくん 実名から。
趙善津 1999 名乗らず
王銘琬 2000 名乗らず
張栩 2003 名乗らず
高尾紳路 2005 本因坊秀紳 しゅうしん 師匠藤沢秀行の命名。
羽根直樹 2008 名乗らず
山下敬吾 2010 本因坊道吾 どうわ 本因坊道策と出身地・北海道に因む。
井山裕太 2012 本因坊文裕 もんゆう 文殊菩薩と実名から一字ずつ。
本因坊算砂の出身場所である寂光寺の大川定信住職の命名。

棋士名の太字は、名誉本因坊または名誉本因坊の有資格者。

(ウィキペディアよりコピー)

趙治勲(10連覇)に破られるまで高川格は9連覇の記録を持っていたのでした。
なお井山本因坊も9連覇中です。

約50年前にGocchi は碁を覚えたわけですが、その当時は9連覇後で、名人のタイトルを獲得したりして不死鳥などと呼ばれておりました。

風貌は大学教授風であり、勝負師には見えません。

高川の”一間飛び” や ”ぼうし”などが有名で簡潔な気風でした。

著者は高川が七段時代に、職場で教えて貰った経験を持っていて、当時はまさか本因坊をとるとは思っていなかったようです。それが9連覇、何故だろうと思いをめぐらして見かけとは違う新しい勝負師の考えに到達します。

小説とわざわざついているので、いくらかの誇張があるのかもしれないけど素晴らしい読み物でした。

今回、読むシリーズを始めるに当たり、読んでいなかったり、持っていなかった本を通販で購入して読み始めたら面白くて、この先どうなるのでしょうか。

著者である 江崎 誠致 氏 が 現代、すなわち AIがプロより強くなった時代に生きていたら、どんなことを思うか、そんな読み物を読んでみたいと想像してしまいます。

氏の作品は今読み返しても、素晴らしい。また紹介しますのでお楽しみに。

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