前作の「ひと」が良かったので、「まち」を読んでみました。
結論を先に書くと、とても良かったです。
読後感がとても気持ちいいのが、この作者の特徴かもしれない。
小学3年生の時に、自宅の火事で両親を亡くした主人公江藤瞬一の物語です。
尾瀬ヶ原で歩荷(ぽっか)をしていた祖父に育てられる。
高校卒業後すぐに上京し、荒川沿いのアパートに住み、引っ越しの日雇いバイトをして4年になる。
前回も両親を亡くした青年がコロッケ屋で働きながら人と巡り合って成長していく物語でしたが、今回もやはり両親を亡くした青年の物語です。
前回、同様、とても読後感が良いのでお勧めです。
「人のためになれる人間になれ」祖父からの言葉です。
私自身、人のために生きているとはとても言えない人間です。
自分が楽しく生きている人間であります。
そんな我が儘な年寄りが、そうか、人のためになることをやってみようかと思わせる小説でした。
話がそれますが、10年程前に本を処分ました。学生時代には買っては売っていましたが、ある時、売るのは止めようと思い売るのを止めたら家が本だらけになってしまったのです。
そこで、ブックオフに出張買取をお願いしたら、今はしていないと断られ、車に積んで何度も通いました。
その時に、どうしても売ることができなかったのが、囲碁、将棋、ゴルフの本でした。
小説は、全部売るつもりだったのですが、内海隆一郎、浅田次郎、藤沢周平、米原万里らの本は売ることができなかったのです。
連城三紀彦、東野圭吾の本も売れなかった。理由は老人になって動けなくなったらゆっくり読むつもりで買っておいた本なのです。時々は読んでしまいましたが、まだ結構読んでないのがあります。
曽野綾子、司馬遼太郎、ムツゴロウ、など好きでほとんど全部の著作を読んだのに、売ってしまいました。
今思うと、処分できなかった本は、何か強く共感できるものがあったように思うのです。
そうだ!と思いながら読み、ちょっと涙ぐむような感じです。
小野寺史宜氏の本にも、同じものを感じます。
その後、「縁」というのも読みましたが、以前の2作とはちょっと違う手法で書かれていて、訴えるものが少なかった。
この先、さらに読むかは、未定です。
でも「ひと」「まち」は良かった。お勧めです。
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