この巻も前回同様44話が収められています。
先ずは、中部語録スペシャル
「無駄な球数で妥協していないか」
「体はスコアを保証してくれない」
「鍛錬について考えてみたことがあるか」
「コースで効果の表れない練習なら不要」
「あれもこれもと欲張っていないか」
最終巻の帯の言葉を紹介します。
「自分なりに精神的な制約を取り除く方法を考え出す。 それが練習の真の目的であり、上達するひとつの方法だと思います。
練習場ではそういう訓練をする。訓練していけば必ずその方法は見つかります」
ムダ球を打たない効果的な練習法とは・・・・・・・・
中部流の奥義、ここに完結。
中部銀次郎は心技体の中で、ゴルフに一番必要なものが何と考えていたか。
このシリーズの順番である 心 技 体 の順になります。
練習も、心の部分を常に意識して行っています。
練習場で漫然と打つと、流れるようなフォームで美しい球筋が出現することもあるが、
それは狙う場所という制約がないからであり、標的を決めるととたんにフォームがぎこちなくなり、ミスショットが生まれる。
冒頭の中部語録の中身は、コースで使える練習をせよということに尽きると思います。
この最終巻には表題の下に、作:中原まこと 画:政岡としや 原案:中部 隆
となっています。
中部 隆 とは、銀次郎の息子です。
息子から見た銀次郎が、特に後半に登場します。
父と息子の関係って、幼児期、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人と変わっていきます。その中に共通の趣味があること、しかも父が日本一に6回もなったことがある。
多くを語り合うこともなかったかもしれないけど、深い所で多くのことを息子は学んだことは容易に想像できる。
世の中の普通の親父は、いや私などは、何を息子たちに教えただろうかと考えて、まぁ、反面教師にくらいにはなれたかなと自分を慰めるのでした。
そして最後に、中部銀次郎がなりたかったのは、「いいゴルファー」であった。
「いいゴルファー」とは
時間を守る
慎み深く振る舞う
あるがままのライでプレーする
ナイスもミスも淡々と受け入れる
リズムよく歩き、無駄な時間を費やさない
持てる技量の中で最善を尽くす
バンカーを出る時はきちんと均す
洗面台に飛んだ水滴はきれいに拭う
今日一日のラウンドに感謝してコースを去る
どれも当たり前だが、とても大切なことである。
銀次郎はその当たり前で大切なことを黙々と貫き通した男だった。
中部銀次郎氏の本は初めてではないが、膝の痛みでゴルフができなるかもしれないという状況で読んだので、心に響いた。
①心之巻の第17話「粉飾決算」で6インチリプレースについて触れている。
いいゴルファーの中にある、 「あるがままのライでプレーする」に違反する行為です。
ローカルルール「スルーザグリーン、6インチリプレース」の張り紙が、私が所属するクラブに掲げられたのは、今から15年位前であったと思われます。
この張り紙が、1年中掲げられて日焼けして黄色くなっていました。
私が60才還暦になった時、年寄りの小言のつもりで、年次総会で「春先の雪解けの頃は芝の保護のために仕方がないかもしれないが、紙が黄色くなるような長い間は必要ないのではないか」と疑問を呈したら、賛成者が一人もいなかったのにはガッカリでした。
それでも、ゴルフの基本原則に反する行為ですから、私を非難できないわけです。
クラブの本音は、6インチリプレースを止めたら、お客が来なくなるということだったのでした。
「減った分は私が払う」と言いたかったけど、そんなお金はないし、その後、毎年黄色い張り紙が貼ってあります。
ゴルフはイギリスからアメリカに伝えられ堕落し、日本に伝えられてゴルフでなくなったと言われているそうです
日本人は、正直が誇りで、忘れ物が届く国です。ゴルフ発祥の地スコットランドの誇りも正直です。ゴルフに審判はいません。
悲しいことですが、最近では、6インチリプレースをしない人を探す方が難しいくらいです。 先日も、プロの試合で雨の日に6インチリプレースを採用していました。
雨の日は、救済処置があるのだから、何故6インチリプレースにするのか理解に苦しみます。 数年前、女子ゴルフでも採用されましたが、不動選手などリプレースを拒んだ選手がいたことは救いでした。
昔は年寄りが若い者のマナーについて注意していたらしいが、最近は年寄りが率先んして動かしているのだから始末に悪い。
来春からは、一緒にゴルフをするメンバーを失う覚悟で注意してみるか。
最後は愚痴になってしまいました。
若い人には、悪しき慣習であることを伝えよう。これは老ゴルファーの責任です。銀次郎さん、なんとかします。
終わり
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