すっきりとした表紙。
シュリーマン
の文字が古本屋の棚から目に飛び込んできました。
高校時代の歴史の先生が、シュリーマン「古代への情熱」について熱く語ってくれました。
その時は、受験生だったので読む余裕はありませんでした。
古本屋で買って読もうとしたことはあったような記憶があります。
しかし、面白くなくて途中で止めたのでしょう。
外国の本は、読んでいても情景が想像できず、訳も文章が悪いので、あまり読んではいません。
この本は、あのシュリーマンが日本に来ていたことが驚きでした。
トロイの遺跡発見前のことです。
この訳者も、同じ驚きから翻訳に、そして出版、さらに文庫版にと進んでいきました。
オリジナルの単行本は装丁が素晴らしいとのことですが、文庫版は訳者の驚き、思い、シュリーマン邸をギリシャに訪ねたりと、付録が盛りだくさんです。
江戸末期の日本人が、ヨーロッパ人から見た率直な感想で綴られています。
石井和子さんのギリシャの旅は、羨ましくなるような素晴らしいものだったと思います。
深く知った人のゆかりの地を訪ねて、感慨に耽るなんて、これに勝る贅沢はないでしょう。
いつか、そんな旅をしてみたい。