書籍

「百歳の力」 篠田 桃紅 著  素晴らしい

帯の106歳を見て、新しい本と勘違いして買ってしまいました。

2014年6月 初版発行だったので、100歳の時に書いた本でした。

ちょっと中身を目次に沿って紹介します。

第1話 常識の世界に生きなかったから、長生きできた。

第2話 苦労なんかしてないわね。したいこと、してるだけ。

第3話 人間としてやることはもう全部やっちゃったみたい。

第4話 人生というものをトシで決めたことはない。

第5話 ”美”とは、相反する両極を持つこと。そこに一切がある。

第6話 人生の予測は立てられない。すべてはなりゆきまかせ。

この中で印象に残ったことは、「性格が運命を作る」 第2話にあります。

自分のことを考えても、頷けるものがあります。

元々は芥川龍之介の言葉とのことです。

第5話を読んで、「川端康成と三島由紀夫」という最近見たテレビ番組を思い出しました。

「ノーベル賞を年上の私に譲ってくれ」と川端が三島に言って、川端が受賞した。

その後二人の間に溝ができ、師弟関係は消滅したとのことでした。

テレビを見ていた時にも、感じたのですが、二人にはがっかりしました。

直接勝負ができない分野で、誰かが、あるいは世論が決める賞にこだわるなんて意味があるのだろうか。

特に小説とか、絵画とか、音楽とかは、賞とは関係なく 良いものは残っていくでしょうし、人々に感銘を与えるものだと思います。

第6話は全てが素晴らしいが、最後の「私は消えても作品は残る」は特に良かったです。

川端、三島と比べると、彼女の方が、私の中では断然上です。

そして、彼女の作品を見て、気に入ったものがあれば欲しいと思いました。

本の中に「朝、目がさめたときに、最初に目に入るものが美しいものであってほしいから」と所望した人がいたとのことです。

ここを読んで、どうすれば買えて、いくら位するのだろうと疑問に思ったのでした。

いくらまでなら出せるのだろう?

実物を見てみないと分からないけど、100万円は無理でも50万円なら出せるかもしれません。

作品がどれだけ私の心に訴えかけてくるかでしょうね。

絵画を買おうなどと思ったのは初めての経験でした。

お勧めの本です。

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