父親の癌発病から、治療の有無、告知の問題から死まで、その折々の思いを綴っています。
父親と娘の関係って、それぞれの家族で違うものだと思います。
私は妹と二人兄弟ですが、父と妹は仲良しで、益田家とは異なりました。
益田さんとお父さんの関係は、お母さんとの関係より希薄であったことは、初期の作品からも分かります。
しかし、死が近づいたとき、お父さんの昔の話を、インタビューのように聞くと、お父さんも懐かしそうに話します。
その話を、プリントアウトしてお父さんに渡すと嬉しそうだったそうです。
私の場合、父親のことは妹の方が詳しくて、父の死後に教えてもらいました。
そんな妹も亡くなってから7年も経ちます。
この本をもっと早く読んでおけば、両親のことを知りえたのにと、ちょっと残念です。
益田さんの本からは、両親に愛されて育ったことが分かります。
ちょっとクールなようなところもありますが、優しさが底にあるのが魅力のような気がします。